補足:用語解説

1、粗大運動能力分類システム(GMFCS, Gross Motor Function Classification System)

 運動レベルに合わせて、レベル I〜Vの5段階に分類します。レベル Iは、麻痺はあるものの生活全般や運動を補装具に頼らず行える状態です。レベル IIは、独歩がある程度可能ですが、生活動作の中でクラッチや手すりが必要な状態で、長距離移動では車椅子が必要なケースも含みます。レベル IIIは、歩行器歩行が可能なレベルで、階段昇降には介助が必要であったり、自走ながら車椅子移動も必要な状態です。レベル IVは、歩行器や介助で短距離歩行が可能ですが、移乗に介助が必要で、車椅子移動に介助が必要な状態です。レベル Vは、移乗や移動に介助が必要で、座位を維持することも困難な状態です。下の図を参考に、運動機能をイメージして、記事を読んでください。実際の分類は、年齢によって内容が微妙に変わるので、詳しくは成書をご参照ください。

2、MP(Migration Percentage)

 MP(Migration Percentage)は、麻痺性股関節脱臼の脱臼度を示す指標として使用されます。大腿骨頭(厳密には、大腿骨近位骨端核)の横径に対して、大腿骨頭が臼蓋の外側縁からはみ出ている割合を%で表記します。正常股関節では、MPが20%を超えることはありません。MP30%以上を亜脱臼とし、MP90%以上を完全脱臼と定義することが多いです。