股関節脱臼

1990年代までは、先天性股関節脱臼(congenital dislocation of the hip, CDH)という呼び方が一般的でした。必ずしも先天性ではないことから、最近は、発育性股関節形成不全(developmental dysplasia of the hip, DDH)という呼び方が一般的になっています。

乳児健診でのチェック項目に入っていますが、専門医でなければ発見することが難しい場合があります。家族歴がある場合やご家族の目から見て不安がある場合は、専門医による超音波診断を受けることをおすすめします。

股関節脱臼の標準的な治療は、リーメンビューゲル装具による治療(Rb治療)です。しかし、Rb治療による合併症の頻度は必ずしも低くありません。

私たちは、安全な牽引療法での治療をおすすめしています。開排位持続牽引整復法(FACT-R)は、滋賀県立小児保健医療センターで開発されましたが、ほぼ全例を整復でき、合併症の発生率も低い、素晴らしい治療法です。

開排位持続牽引整復法について

臼蓋形成不全とソルター手術