HAL装着体験

ボバース記念病院は、リハビリテーションの手法の一つであるボバース法で有名な病院であり、優秀なセラピストが多数在籍しております。だからといって、職人の技術だけに頼っているわけではありません。歩行神経筋電気刺激装置(NESS、フランスベッド社)などの新しい機器を導入してリハビリテーションに活かしています。今後も歴史ある技術と最新機器をうまく融合させながら、患者さんに良い治療を提供したいと考えています。

9月10日にCYBERDYNE社の協力で、小児用下肢タイプのHALの装着体験会を行いました。HALは、筋肉を動かそうとする時の生体電気信号を感知して、装着者の運動に同期して、筋肉の動きをサポートしてくれます。小児用はまだ保険適用となっていないので、実際に使用できる病院は少ないと思いますが、全国にあるロボケアセンターで使用できるそうです。

今回は、3名のロボットに興味がありそうな男子に参加してもらいました。最初は緊張気味であったり、頭のパーツが無い(ウルトラマンをイメージしてたのでしょうか。。。)と訴えたり、自分が動かしているのか(ガンダムのコックピットに乗るイメージで来たのかな。。。)と訝しげであったりしましたが、すぐに慣れて、うまく歩いていました。終日理学療法士が付き添いながら設定に参加することでスムーズに調整ができていた印象でした。筋肉をバランスよく使うイメージをつけるために有効な機器だと思います。

導入する方向で検討していきますが、月額レンタル料が1台20万円とのことで、今のボバース記念病院にはちょっときついかなあ。

第4回オンライン脳性まひ講演会

新型コロナウィルス感染症もデルタ株の流行で子どもたちの感染が増えてきました。ボバース記念病院でも患者さんの学校の休校や職員の子どもの保育園の救援の報告が増えています。基本的な感染防護策:手洗い、うがい、マスク、換気などが有効であることに変わりはありませんので、初心を忘れずこの危機を乗り越えたいです。

自分の担当回が終わったら、オンライン講演会の宣伝を忘れていました。今回は小児神経科の廣恒先生が担当で、『知っておきたい脳室周囲白質軟化症の特徴』という講演です。同じ脳性まひでも、原因病変によって症状はまったく違います。四肢の動きの問題だけでなく、コミュニケーション能力や学習能力などさまざまなところに原因病変ごとの特徴があります。申し込みが9月23日までなので、ご興味がある方はお早めに申し込みサイトをご確認ください。ボバース記念病院で働いてみて、小児神経科の先生たちは脳性まひ患者さんの細かな特徴にとても詳しいと感じています。講演会はもちろんのこと、ボバース記念病院小児神経科を受診していただければ、お子さんとの関わり方を見直す良い機会になると思います。

第3回オンライン脳性まひ講演会(重要)

オリンピックも無観客ながら開催され、パンデミックの中で行うことに対する意見はいろいろあると思いますが、アスリートが懸命に競技する姿は感動を与えてくれますね。

ボバース記念病院では、患者さんとコミュニケーションをとる機会が減ったため、オンライン講演会を開催しております。8月2日から開催される第3回講演会の担当は、なんと私です!『脳性まひの整形外科治療において大切なタイミングを理解しよう!』という演題名でお話しさせていただきます。ボバース記念病院のホームページから申し込みが必要です。

日頃、小児整形外科の診療を行う中で、短い診察時間の中で、治療法の利点・欠点、得られる結果、リスクなどをきちんと伝えられなかったのではないかと不安に感じることも多いです。患者さんの中には、たくさんある情報からどう取捨選択すべきか悩まれる方も多いと思います。脳性まひは完治することが難しい病気ですから、治療の選択においても正解が一つではないことも多いです。今回の講演会が少しでも皆様の助けになればと考えております。

整形外科が担当の回だけ視聴率が低いとまずいので、冷やかしでいいので、ご参加お待ちしております。

第2回オンライン脳性まひ講演会

ボバース記念病院も夏休みモードに入ってきており、外来も病棟も混み合ってきました。忙しくて告知が遅れてしまいましたが、ボバース記念病院主催の第2回オンライン脳性まひ講演会が始まっています。今回は、荒井院長が講師で、『大人になって困ること 〜その予防と対策法〜』という演題名になっております。

将来起こることを予測しながら、成長期を過ごすことは大切です。また、大人になって起こってしまったことに対しても治療が可能なことが多いです。皆さん、ぜひ参加していただき、大人になったときのことを考えてみましょう。

下記ポスターは紙媒体を撮影したものですので、QRコードが読み取れない可能性があります。その場合、お手数ですが、ボバース記念病院ホームページより申し込みをお願いします。

お芋ほり

6月17日、ボバース記念病院の屋上庭園でお芋ほりが行われました。新型コロナウィルス感染症の影響で院内行事も行いにくくなっていますが、屋上で病棟別に行うお芋ほりなら問題ないでしょう。子どもたちの素敵な笑顔を見ることができました。翌日栄養士さんが蒸しいもを作ってくれて、みんなでいただきました。とても美味しかったです。

昨年まで雑草だらけだった花壇を職員のボランティアがきれいにしてくれましたので、お花もたくさん咲いています。とうもろこしやカボチャも育ってきているので、もう少ししたらまた収穫できそうです。

入院生活を少しでも楽しく過ごせるように工夫していきたいと思います。

雑誌の痙縮特集

Monthly Book Medical Rehabilitationという雑誌の5月号が発売されます。以前当院に勤務されていた柴田先生が編集を担当され、私もITB療法の項を執筆させて頂きました。これまでの経験をもとに、ITB療法で注意すべき点を全て記載しました。ITB療法がトラブルなく普及していくことを願っています。

当院の吉田PTもリハビリテーションの項を執筆しています。リハビリテーションに携わる医療関係者向けの雑誌で、一般向けではありませんが、1冊でリハビリテーションから手術まで痙縮治療の全体像が理解できると思います。

大阪では、新型コロナウィルス感染症患者が減りつつありますが、阪大病院の小児外科手術が延期になったり、静脈麻酔薬が不足してきていたり、まだまだ油断できない状況です。ボバース記念病院でも感染防護を行いながら、お子様たちの治療を行います。

7th seed

主に靴型装具(整形靴)を扱っておられる7th seedさんに来てもらうようになって1年が経ちました。靴型装具は一見普通の靴だけど、実際はインソールや材質、構造に工夫がしてあるので、変形や麻痺のある足でも快適に活動できます。昔ながらの日本の靴型装具は、一見して装具であり、あまり快適ではないものが多かったです。7th seedさんは普通どころか子供の夢を叶えるような靴を作ってくれます。ホームページFacebookで実際の靴型装具を是非見てみてください!

ボバース記念病院小児整形外科では、足の手術をたくさん行っていますが、外科医の技術だけで全てが解決するわけではありません。これからも装具士、看護師、小児科医などとチーム一丸となってレベルの高い医療を提供していきます。

ボバース記念病院では、4月から月曜午前(第4以外)と金曜午後(第1、3、5)に靴型装具診を行っています。(3月までは木曜午前)興味がある方は外来受診してみてください。

あけましておめでとうございます!

あけましておめでとうございます!

2020年は新型コロナウィルス感染症の流行によりストレスの多い1年でした。幸い、ボバース記念病院では感染者が発生せずに1年を終えることができましたが、緊急事態宣言中は外来リハビリテーションを休止することになり、その後も感染防護対策に悩まされる日々を過ごしました。

小児整形外科では、例年よりは少ない件数となりましたが、事故なく手術を行うことができました。お子様たちの頑張りとご家族の献身的なサポートに感謝いたします。本年も小児科医、麻酔科医、看護師、リハビリテーション科等と連携して安全な治療を提供していきたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。

年賀状には例年、家族の写真を使用するのですが、年末に年賀状を作る際にステイホームの影響でろくな写真がないことに気付き、急遽、息子に牛の絵を書いてもらいました。まだまだストレスの多い生活が続きそうですが、皆様のご多幸をお祈り申し上げます。

オンライン三昧

コロナ疲れでホームページも全く更新できませんでした。最近のリモートオンライン生活について少し報告します。

去る12月3日から21日に、第31回日本小児整形外科学会がオンラインで開催されました。私は、ボバース記念病院の荒井院長と一緒に、小児の痙縮治療について講演させて頂きました。荒井先生は痙縮の病態や内服治療についてお話してくださり、私は整形外科医がどのように関わることができるかについて話しました。お笑い芸人と同じで聴衆からの反応がないと話しにくいですが、そこそこ聴衆が集まったようでよかったです。

今日は朝からzoomでファミリーミーティングを行いました。とういうのも、故人である叔父さんは戦後に日系人のための牧師としてカルフォルニアに移民されて、今も私の従姉妹が5人アメリカに住んでいるのです。写真に写っているのは、従姉妹4人にその子供、私の弟です。従姉妹の夫の一人はカリフォルニアの大病院で耳鼻科医をしていますが、そこには新型コロナ感染症患者が250人入院し、彼は現在30人以上の気管切開患者を受け持っているそうです。アメリカでも日本でも同じウィルスが感染症を引き起こしている訳ですから、油断はできないなと思いました。

立場上、あまり外出できないので、休日はネットフリックスで映画やドラマを見ています。皆さんもストレスが多いとは思いますが、人との接触を減らした生活の中で小さな楽しみを探してみてください。

第30回日本小児整形外科学会

令和元年11月21日〜23日、大阪の中之島公会堂で第30回日本小児整形外科学会が開催されました。歴史ある建物の中で積極的な議論が行われました。今回は南大阪小児リハビリテーション病院の川端院長が会長であったこともあり、脳性麻痺に関する発表が多かったです。ロボットを用いたリハビリやITB療法、ボツリヌス療法など様々な報告が見られました。当院からも『アテトーゼ型脳性麻痺における股関節脱臼の危険因子解析』の報告を行いました。

私は、『デガ骨盤骨切り術の手術手技』というビデオ企画で手術を解説する機会を頂きました。この手術は主に麻痺性股関節脱臼に対して行われる術式です。脳性麻痺の子どもたちに必要な手術ですが、まだ行われている施設は少ない状況です。今回の発表が少しでも役立つものになればいいなと思っています。

11月28日には、東京都立川市で行われた小児痙縮カンンファレンスで講演をしてきました。地域の療育センターの小児科医、看護師、セラピスト、子ども病院の脳外科医、整形外科医などが参加され、これから地域を盛り上げていこうという気持ちが伝わってくる会でした。

ボバース記念病院も新しい知識や技術を積極的に取り入れながら、より良い治療を提供できるように頑張ります!